持衰



持衰
持衰

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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縄文から弥生へ

 日本人が狩猟採集文化から農耕文化へと移り行く時代を題材にした短編集。本書を読み進むうちに、狩猟を中心とした原始的なムラが、やがて農耕が定着して安定した時代へと移り変わって行くのが、実感できた。古代歴史小説として、とても優れた作品である。

 しかし、この短編集の魅力は、なんといっても生き生きと描かれた登場人物にある。タイトル作でもある「持衰」の主人公、黒女(くろめ)の秘めた情熱と底知れぬ精神力。「夕陽を浴びて」で、重要な働きをする飲んだくれの父親。「常世へ」の主人公、猛男(たけお)の潔さ。などなど。すべての人物が命を持って生きているかのようである。筆者は、前作「日輪の神女(ひのかむめ)」では、古代ロマン文学の可能性を示したが、今回の短編集は、小説としての完成度がより高まっているとの印象を受けた。
 次の作品が楽しみである。



郁朋社
日輪(ひ)の神女(かむめ)
日輪(ひ)の神女(かむめ)―紅蓮の剣




寺子屋式 古文書手習い

持衰

時の迷路―恐竜時代から江戸時代まで

時雨のあと (新潮文庫)

時宗〈巻の1〉乱星 (講談社文庫)

時宗〈巻の2〉連星 (講談社文庫)

時宗〈巻の3〉震星 (講談社文庫)

時宗〈巻の4〉戦星 (講談社文庫)

時代を見通す力

時代を動かした闇の怪物たち 昭和・平成 日本「黒幕」列伝 (別冊宝島)




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